吉野川南岸を東西に繋ぐ国道192号線から貞光交差点を左折して、いよいよ剣山ヒルクライムコースへと入って行きます。この場所から頂上までの距離は約40Kmほどあり、現在は14時半。山の上で暗くなりきるまでには山頂に着くと思うのですが、祖谷渓見物はもう真っ暗になっていて無理でしょう。それでも暗闇のなか山中の道を行くのか、登ってそのまま貞光に下りてくるのか、それも登ってみてからの判断に委ねることにしました。今はとりあえず剣山ヒルクライムコースを楽しむのみ!
剣山ヒルクライムコース 貞光〜剣山(国道438号線)
距離:31.6km、平均勾配:3.7%
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交差点から貞光の穏やかな古い町並みの中を南下していきます。
貞光川に沿って南下、貞光の集落を外れるといよいよヒルクライムのスタート地点です。さすがに日が差さない場所だと寒さを感じます。
さきほどの写真の赤い橋の下あたりは淵になっていて川遊びが楽しそうな感じでした。水も綺麗だし、夏になると地元の若者や家族連れでのんびりと川遊びを楽しむのでしょうか。
橋を渡るといよいよ登り道の始まりまです。電光表示板には「凍結・積雪あり」と不気味な文字がありましたが、今日は天気も良く日も照っていたし、大丈夫かなという思いのもと、とりあえず登り始めました。
40kmもある登り道では、最初からいわゆる山中のヒルクライムコースに入るのではなく、写真のようにいくつかの集落をパスしながら少しずつ登っていくのですが、時折、垣間見える山の尾根の高さに驚きます。
登り道はまだまだ続きます。正面にはごっつ高そうな山が西日に照らされていますが、方角的に剣山という訳ではなさそう。けど、あそこの高さまでこれから登っていくとなると果たして時間は大丈夫なのかと心配になります。
トンネルを越えてすぐ左の谷底に小さな社と岩肌のお堂がありました。写真を撮るとびっくり仰天。「素破、心霊写真か!!」 山肌に幼い女の子の恨めしそうな顔が!!と思って、写真を拡大して見てみると、お堂の屋根と岩の山肌の陰や影が微妙に折り重なり合ってできたものでした。この写真でも少し分かりにくいですが、縮尺を小さくした写真で見るとよりはっきり女の子が映っているように見えますよ。
ほらね。怖いでしょ。
ちょっとした名勝っぽくなっている岩戸の御堂。川の水の澄み具合が感動的。ここは絶対に夏場に川遊びをしたくなる場所ですね。
ん、通行止め?? しかし、よく見たら「剣山祖谷方面は通行可能」の文字にほっと一安心。
標高が上がって、ぐんぐんと気温が下がってきたと思ったら、気温5度。しかも「タイヤチェーンが必要」って凍結してるか積雪があるってこと??剣山の道、登頂までの黄色信号点滅です。
最後の集落を過ぎて、ようやくヒルクライムらしくなってきた道をひたすらに登っていきます。谷の向こうには、立派な山容が陽に照らされています。あの山も名前のある立派な山であるに違いない。しかし、路面が常に水で濡れている状態で凍結路面が現れるのは時間の問題のように思えます。
そしてついに、剣山まで残り10キロというところで、前輪がツルッと滑ってあやうく落車するところでした。道の横には残雪。峠まで辿り着くのにあと1時間半はかかる。このまま登って行っても、陽が落ちて暗くなり、道はより凍結し、下山が更に危険になるだけという判断のもと、残り10キロの地点で下山を決意。
残り10キロ、せっかくここまでやって来て、剣山まで登って登り切れないことはないという欲も掻き立てられました。しかし、結果的には早めの判断で日の残っているうちに下山の途に付いて正解でした。それでも下山する時の寒さといったら尋常なものではなく体の芯まで凍えてしまいました。これで1時間半遅れていたらどうなっていたことでしょう・・・。しかし、登頂の最初から2000m級の山を舐めていたということが要因になった今回の途中断念ってことですね。今回の反省を今後の糧にしていきたいと思います。
芯の芯まで冷え切った身体を温めるべく、貞光のローソンで今回のツーリング初のコンビニ休憩。まぁ写真撮るために何度も立ち止まっていること自体が休憩なんだけど。で、このローソンにイートスペースがあれば良かったのだけど、それは無く、外でカップヌードルのホットカレーを食べて冷え切った身体を温めることに。
そして、今回のライドの主目的である夜間ライドへと走り出しました。ルートは少し修正して、国道192号線をひたすら西へ進んで愛媛県の四国中央市に入り、そこから折り返して東進、高松市を経て鳴門に戻るルートをひた走ります。
いや、でも観光ライドも忘れません。全国に8城しかない国の重要文化財、丸亀市の「丸亀城」の夜間観光。いや〜まさかでしたよ。お城は万が一ライトアップされていたら城外から写真も撮れてラッキーくらいの感じで立ち寄ったのですけど、ライトアップはもちろん城内公園が夜間でも開放されていて本丸、天守閣の近くまで自転車持ち込みで入れてしまいました。時間は0時頃のことだったので、公園内に人っ子一人いない感じで流石に不気味でしたけど、なんとか写真を撮り終えてそそくさと退散しました。
さて、深夜の国道をひた走って四国随一の都市、高松までやって来ました。時刻は2時26分。この頃までは割と元気で、もしかしたらこのまま、眠気を感じることもなく、淡々と時速22、3?/hを維持したまま夜明けまで走り切ることができるんじゃないかと淡い希望を持っていましたが、そうはイカの○ン○○シ。ここから夜明けを迎えるまで4時間あまりの道のり(特に日の出前の2時間)がこれまで体験したことのない苦難の体験でした。
<夜通しライドの総括>
今回のライドのメインテーマは、先ほども述べたように、夜通し一睡もせずに自転車で走ることができるのかできないのか。または、そのような状態に身を置いた時に自分がどうなるのか、いわば「人体実験」です。
徹夜で自転車で走る??誰が聞いても、なぜそんなアホなことをするのか、と言えば、一重に来年のブルベでダブルSR+1000km達成を目指すためです。今年もブルベを走りましたが、300kmを一度だけ。もちろん夜間走にはなりましたが、眠気もなく、仮眠を取る必要を全く感じませんでした。しかし、400km、600km、1000kmを走るブルベはそうはいきません。
ブルベ仲間(と呼ばせてください!)のひでさんやぽてとさんのブログ記事やお話しから察するに、長距離ブルベを完走するためには夜間走をどう走るかはとても重要なファクターとなるようです。ひでさんの必殺「居眠り走法」なんて凄技もあるようですし。
しかし、私には夜通し走った経験もなければ、屋外で仮眠を取ったこともありません。そこで今回の人体実験になるのですけどね。
で、一睡もせずに夜間走り切ってみました。どーなったか??
〇 幻覚を度々見た
道路脇にある色々なモノ(標識や看板、ポール等々)が、何故か人間に見えた。「あっ人が居る」と思って目を凝らすと植木だったり。または、陰の具合がこちらに向かってくる対向車に見えてビックリ。もちろん幻覚なので実際には目の前には道路しかない。もちろん、補給もしっかり摂っているので、疲労の極限という訳ではなく、単なる睡眠不足なんですけど、それでもこんな幻覚を見たりしました。
〇 秘技「ほんの一瞬居眠り走法」
自分の意識が一瞬、どこかに飛んで行ってしまっているということが何度かありました。ほんの短い時間なので、すぐにハッと正気に戻っていたと思うのですが、意識がない時に対向車や障害物があると危険極まりない。しかし、ひでさんの免許皆伝「居眠り走法」とは意識の飛翔時間が違うのでしょうね。
〇 走行速度の著しい低下
これは、車の運転で身に覚えがありますが、本当に眠い時に車を運転すると、速度を出すのが怖くなってノロノロ運転しかできなくなります。どうも運転に意識集中ができず、スピードを制御できない感覚に襲われ不安になるからです。自転車でも同じ現象が起こりました。時速15?/hで走るのがやっとの状態になります。
これらの体験から導き出された結果は・・・・
眠気と抗わずに仮眠を取れ!!
400km以上のブルベを走る作戦として、仮眠の場所と時間をまず第一に念頭において、そこから色々なペースを逆算する位の方が良いような気がしました。そら、もちろん予定通りに事は運ばないかもしれませんが、目標としては、そこを第一に設定しておくべきだと思いました。特に寒い冬のブルベを走るにあたって、暖かい屋内で仮眠が取れるのと、身も凍えるような寒い場所で仮眠を取るのでは体力回復の度合いが違います。そして、短い時間ではなく1時間以上どっかりと眠れるようにペース配分しておいた方がいいなと感じました。
今回のライドでも、もし、午前3時頃に高松市街地にあるマクドで1時間の仮眠が取れたら、あとの道のりがどれだけ楽だったでしょうか。少なくとも幻覚はあまり見ずに済んだはずですし、居眠り走法も回避できたかもしれません。仮眠の効果は車の運転で実証済みなのでよく分かります。10分、15分の仮眠でも車の場合は効果的ですが、体力消耗の大きい自転車ではより時間を取って休むべきでしょう。
深夜、早暁の仮眠を豊かなものにするために日中のライドでは速度を上げて距離を稼ぐことを意識すべきようにも思いました。あくまで仮眠場所と仮眠の時間までをどう迎えるか、を意識の中心に置くくらいの感覚が大事かなと。そうそう、自分には徹夜ライドは無理だということが改めて分かりましたね。
今のところ、申込み峠さえうまくクリアすることが出来たら、『2014年BRM102高松400Km』をチャレンジすることができそうです。高松から室戸岬へ。人生初の高知県入り。そして室戸岬。とても楽しみです。
ということで、幻覚は見る、一瞬意識が飛んだような走行をする、といったように危険な感じでしたが、鳴門の海岸沿いを走っている間に日の出を迎え、景色が明るんでくるとともに、それまでの眠気も霧が晴れるように晴れてなくなりました。そんなところでゴール地点の岡崎海岸に到着しました。剣山ヒルクライムや祖谷渓見物は途中断念の憂き目に遭いましたが、実験的に夜通し走るという大きな目的は達成できたので、まぁまぁ良かったかな。
貞光→(R192)→四国中央市→(R11)→丸亀市→高松市→東かがわ市→鳴門市・岡崎海岸
今回の全体記録
走行距離 : 325km
走行時間 : 17時間16分
平均時速 : 17,6km/h
獲得標高 : 1700m