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Channel: ケルビム&KHSでゆくフォトマップブログ/自転車で巡る阪神間の道と街
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クリストファー・フルームとチームSKY

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(mapはツールドフランス2014公式HPからの転載です)

いよいよ、明日からの開幕迫るツール・ド・フランス2014ですが、今大会は日程がサッカーW杯と重なるために、深夜をどのように過ごしていけばいいのか、自分でも困っています。いやはや嬉しい悲鳴には違いありませんけど、同じ様に思われている方も多いのではないでしょうか。

特に今日、W杯は深夜1時から、フランスVSドイツという歴史的な因縁も深い欧州の2大国同士の争いでこちらも熱戦必至。また、早朝5時からは、開催国であり優勝候補No.1のブラジルと22歳の10番ハメス・ロドリゲスの活躍もあり抜群の安定感を見せているコロンビアとのベスト4進出を賭けた注目の一戦です。私はコロンビアとドイツを応援していますけどね。

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さて、ツールの方は第1ステージ(リーズ〜ハロゲート)が今日18時50分〜25時30分の枠でJスポーツ3で無料放送されます。今季は2007年以来の英国開催となり、カヴェンディッシュをはじめ英国人選手たちが母国でマイヨ・ジョーヌを着るチャンス。しかも、スプリント勝負が予想されるコースレイアウトなので、各チームのトレインがどのように機能するのか大いに見物です。カヴのために再編されたオメガファルマトレインの完成度はどのくらいなのか、グライペル擁するロットベリソルトレインや昨季のツールで4勝をあげたキッテル要するチームジャイアント・シマノトレインが炸裂するのか。こちらもゴールに向かって熱い闘いが繰り広げられることは間違いありません。

そんな中、今大会で最も注目している選手とチームは、ケニア生まれの英国人にして昨年大会のマイヨ・ジョーヌである【クリストファー・フルーム】と、2012年大会ではブラッドリー・ウィギンスをエースとして悲願の総合優勝を果たし、昨年大会ではフルームがその栄光を受け継ぎ、現在ツール・ド・フランス2連覇を達成している【チーム・スカイ】です。そして、このどちらも印象として、憎まれ役のような存在となってしまっているのが面白いところです。

フルームは、2012年大会において、チームのエース、ウィギンスのアシストとしてツールを走ったのですが、山岳コース登坂中に「速く登ってこいよ!!」「俺の方が速いじゃないかよ」!とばかりに後続のマイヨ・ジョーヌを纏ったエースを度々振り返ったという行為があまりに不遜なものとしてメディアに大きく取り扱われました。また、それ以降、どちらがチームのエースに相応しいのか、チームのエースを巡る確執がウィギンスとフルームの間で行われたことは間違いありません。2013年大会は、ウィギンスは出走せず、フルームをエースに立てたことで、どちらがエースであるのか決着したようです。

そして、2013年大会。最初の山岳ステージで、スカイトレインが炸裂。総合優勝候補の他チームのエース達を圧倒的な強さで切り裂いてフルームがステージ優勝、マイヨ・ジョーヌを纏いましたが、そのステージ以降パリまでマイヨを失うこともなく大きなリードを保って総合優勝しました。多少のピンチはありましたが、ずっと2位以降に1分以上の大きなアドバンテージがあったので、観戦する方としては動きがなく、見どころが少ないツールでもありました。

フルームがアンディ・シュレクのようにタイムトライアルが苦手でタイムを大きく失う可能性のある脆弱な選手ならまだ可愛げがあったのですが、TTスペシャリストにも追随するタイムを叩き出すフルームでは、他チームの総合を狙うエースたちにとっては逆にTTは危機。果たして2013年ツールは2位のキンタナに4分以上のタイム差を付けて終了するという始末。

【謙虚さがない】【不遜である】けど【圧倒的に強い】【弱点もない】おまけにチームの【鉄壁のアシスト陣(チームも強い)】。イメージ的なものが先行し過ぎているような感もありますが、こうした印象によってフルームはあまり好かれていないようなイメージがありますね。

チーム・スカイにしても、潤沢な予算を元に強い選手を掻き集め、練習方法にこれまでに前例のないほどに科学的手法を用い、徹底した管理主義を選手に強いるというまるで軍隊のように精密で冷徹なイメージ(事実なのかも知れませんが)を帯びています。2012年にはチームに所属していたカヴェンディッシュがチームを離れ、スカイの体制に批判を加えていることからもそうした印象が増々強くなった感もあります。確かにスカイの真っ黒なトレインを見ていると、【軍隊アリ】のように獰猛で一糸乱れぬ鉄の規律を感じさられ、薄気味悪くも怖くもありますね。

しかし、フルームが軍隊アリのエースとして冷静沈着かつ豪胆不敵なゴルゴ13のような選手であればホント面白くない(いや、それはそれで面白いか・・・)のですが、フルームは感情的かつ攻撃的精神旺盛な選手のようです。昨年のツールでは序盤で圧倒的な差が付いてしまったので、後は無理せずアシストアリたちに働いてもらって、自分は軍隊アリの王の如く悠然と構えておれば良かったはずなのですが、フルームは軍隊アリの一番槍の如く先頭に立って戦いました。レースに勝つためではなく、自分がチームのエースであることをチーム首脳にもチームメイトに明確にさせるという意図があったのかも知れません。また、両親ともに英国人でありながらケニアに生まれ、南アフリカ過ごし、2008年になってイギリス本土に移住しました。英国にあってアフリカ出身であることの意味は実感として分かりませんが、自分を奮い立たせ、周囲に自分の実力を見せつけなければならない境遇というものがあったのかもしません。

そして、ツールドフランス総合優勝という栄冠を手にし、チームのエースというポジションも安泰としたフルームですが、そんな彼が今回はどのような走りを見せてくれるのか。昨年と同じく猛然果敢なエースとして存在し続けるのか、はたまたアシストたちを存分に使い熟し悠然と構え君臨するタイプのエースとなるのか。フルームとチーム・スカイ見物です。

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