これまでお付き合いいただきました、KHS輪行ポタリング[宇治京都編]も、今回で最終回となります。
JR大津駅で下車→琵琶湖岸沿いに瀬田へ→宇治川沿い→宇治市街で抹茶ソフトを食べる→京阪宇治駅電車で輪行→京阪中書島駅下車→中書島界隈、伏見の町巡り→琵琶湖疏水沿い→鴨川沿いを北上。
こんなルートで京都市街、京大の近くまでやってきました。今回の記事は京都大学近辺の吉田山と一乗寺にある噂の2つのお店を訪れたことが中心ですね。1つは何故か吉田山の中にある「茂庵」というカフェ。そしてもう1つは個性豊かな本屋さん「恵文社一乗寺店」。どちらもインパクトの強いお店でブログで紹介するのも楽しみです。
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京大の学舎が立ち並ぶ一角を抜けると吉田神社があり、この小高い山の中に「茂庵」というカフェがあるという。
路地を抜けて、茂庵の入口の看板がある場所を目指しますが、この住宅地の向こうの山に見えるのは・・・。
京都夏の風物詩、五山の送り火の一つ、「大文字」の文字が浮かび上がる大文字山です。文字のところに沢山の人がいるように見えますが、あそこまでは結構簡単に行けますよ。僕も夜に昔登ったことがありますが、視界を遮る樹々がないので抜群の京都市街の夜景を見ることができます。
ここがその「茂庵」の入口です。ママチャリ置き場になっているけど、これもお客さんの?まぁ、ここから登ってすぐだろうし自転車は担いで登ろうということになりました。
しかし、階段を登れども登れども住宅地で一向にお店があるような気配はしてきません。
KHSを担ぎながら振り返って写真撮影。階段をとことことずいぶん高い所までやって来たような。
階段は行き止って、いよいよ到着!?と思っていましたが、ここで住宅地が終わって山の中に入るということです。まだ坂道は続くと。
地図の立て看板。これを見るとまだまだ茂庵は先のようだ。
山の中の道を小径車を担いで登って行きます。
山の中は適度に間引きされて爽やかな雰囲気。そこに3軒の茶室があり、そこを横目に階段を登っていくこと約10分。住宅地からだと30分は登り続けているような気もします。
ついに到着、「茂庵」です。それにしても吉田山という由緒のある山の山頂になぜカフェが?というかこの建物は元々は一体何だったのだろうか。
木造の古めかしい建物ですが、2階の窓の格子は障子ではなくガラス窓になっていますね。この建物の2階がカフェになっているようです。
「茂庵」HPからその由来を述べる文章を要約すると・・・この茂庵という建物は大正時代に谷川茂次郎という人物によって造られました。茂次郎は大阪で新聞用紙を中心に扱う運輸業で成功を収めた事業主となりますが、その後、茶道の裏千家に入門して茶道に親しみ、神楽岡(吉田山)の山頂に茶室8席、月見台、楼閣など広大な森の茶苑を築きあげ、たびたびお茶会を催しては茶人としても多くの人と交流を深めたそうです。
茂次郎の没後数十年は封鎖されていた吉田山の山頂一帯が、今の「茂庵」としてスタイルが確立されたのは、いつ頃?よく分かりませんが、ここ数年の間の出来事だろうと思います。コンセプトは「市中の山居」ということで、「町中に居ながらにしちて山中の風情を楽しむこと」とありますね。
茂庵の1階は台所兼待合部屋になっており、2階に上がるとそこがカフェとなっています。2階の窓辺のカウンターの席からは京都市街の眺望を望みながらランチや珈琲を楽しむことができます。こちらの席が良かったのですが、なかなか席が空かないので部屋の中央のテーブル席に着くことに。
格子窓からの眺望。写真では上手く撮れていませんが、実際はもっと綺麗な京都市街の眺望が見られましたよ。
店内はこんな感じ。茶室として造られた空間がカフェとなりソファとテーブルが設置されていています。そうだ、ここに入るまで6組の客待ちで30分は待ちましたよ。お客さんが沢山おられる中、部屋の真ん中の席ではなかなか落ち着けませんね。
日替わりランチメニューです。鯖を赤ワインで味付けした料理等、旬の物の素材の良さを味わうようなメニュー。何時間も自転車で走ってきた私のお腹の空腹をこれで満たすというのは難しいですが、この雰囲気の中でカウンターの席に座って珈琲を飲みながらゆったりと寛いで過ごすには良い感じのお店ですね。
テーブルには京都の秋を感じる鬼灯の飾り。こういうものが一つ、あるかないかで雰囲気が変わるものです。
茂庵を出た後は吉田山を下山します。吉田山山頂にある茂庵に行くには幾つもルートがあるようなので色々な道を探しながらカフェを訪れてみるのも面白いかも知れません。
茂庵を辞し、次にやってきたのが、「恵文社一乗寺店」。茂庵から自転車で20分ばかり走った場所にあります。実は茂庵もそうなんですけど、ここも早瀬野菜研究所の奥さんから教えてもらいました。それまでこんな本屋さんがあるとは知りませんでしたが、人からはいっぱい色々なもの教えてもらうものですね。ただの本屋とは違って、なかなかユニークな本屋のようです。
店内の雰囲気からして普通の本屋さんとは違います。普通の本屋さんといえば、本を売るために、新しい本、よく売れる本を中心に置いてあるものですが、ここは違います。この本屋の店員さんの視点で、お客さんに読んで欲しい本、紹介したい本を選んで並べている様子。
どこにどんな本が置いてあるのか、案内表示も、本を紹介するためのポップも一切なく、自分の目で確かめながら棚を見ていくしかありません。
ムーミン関連の本が置かれていたので、ついつい手に取って読んでみました。ムーミンキャラクター図鑑、なかなか興味のある本です。
どこにどんな本が置いてあるのか分からないだけに油断禁物です。精肉加工業における牛肉の屠殺場の写真集には息を飲みました。ジュンク堂のような専門書を取り扱う大きな書店の該当のコーナーに行けば置かれてあるのでしょうが、町中の小さな本屋の中にこんな本は絶対に置いていません。
本屋を抜けると建物に囲まれた石畳の中庭があり、古いヨーロッパの町並の雰囲気です。
書棚の足元に謎の女性像・・・。
ここには1時間ほども滞在したかな。書棚を巡ってみると、どこから何が飛び出てくるか分からない緊張感が心地いいですね。とても刺激的で素敵な本屋さんです。頻繁に通うことは出来ませんが、また京都に来た時にはふらりと立ち寄ってみようかな。
恵文社を出て、いよいよ帰途に着きます。帰りも鴨川沿いの道を南下していきます。
出町柳付近にある賀茂川と高野川が合流して鴨川になる場所。通称「鴨川三角」と呼ばれている場所。大学生たちが春の新歓コンパでハメを外し過ぎて大変なことになる場所としても有名ですが、今日は子どもたちの遊び場となっていました。
夕暮れ近くの鴨川では様々な音楽を聴くことができます。トランペット、サックスなんて定番のものから笙?やアフリカの太鼓?色々な人がいますね。色々な人がいて、色々な生活の様子を見せてくれるのが都会という場所だと思います。
三条と四条の間の鴨川沿い、床を出している料理屋が軒を並べている様子と、若い男女が川べりに腰を下ろして寛いでいる姿がまさに京都的夕べの風景。
鴨川沿いをずーっと南に下って行きます。鴨川河川敷の道は整備され続けているようで、右岸、左岸と道を変えながら桂川、淀川まで続いているようです。
誰かが川原にこんなものを。ちょっと怖いよ。鴨川の河原といえば、歴史的に処刑場としても有名な場所なので、こういったものが似合うと言えば似合うのだけれど。
鴨川沿いの道を走っていくとやがて桂川にも合流して、木津八幡サイクリングロード上を大山崎目指して走ります。これまでのポタは町中をのんびり走り続けてきましたが、この道ではただひたすらに前に向かって漕ぐだけです。
後ろを振り返ると京都市街は雨雲に覆われていました。しかも雨雲レーダーを見ると、雨雲が南に下ってくるではありませんか。雨を避けるためも必死で漕ぎ続けました。
サイクリングロードをひたすら西へ。夕日が高槻の山に落ちて行きます。
そして大山崎で今日1日を共にしたおしょうさんとお別れです。おしょうさんはこのまま自走で大阪の自宅まで帰るのだとか。ここからまだまだ先は長いですね。
一方、私はJR山崎駅から輪行で三田まで帰ります。各駅停車では座れますが、快速に乗ると乗客が多くて自転車が邪魔になりそうなこともあって、新三田駅まで各駅停車です。長いですが大丈夫。恵文社で買った「落語心中」というコミックスが3巻ありますから。今回のポタリング、これにて終了です!
伏見区中書島からのポタリングルート