僕は三田市に住んでて、職場は宝塚市にあります。ですから電車通勤にはJR福知山線を利用します。自宅の最寄駅はJR新三田駅ですが、そこから、三田、道場、と来て「武田尾」、そして名塩、生瀬、宝塚と続きます。この数駅の中で「武田尾」駅だけが全くの異質の存在なんです。あとの駅は市街地や山を切り開いて出来た新興住宅地、と比較的人口の多そうな場所に駅があります。
自宅から道場駅までは自転車でのんびり走れるし、宝塚から名塩までは、まぁ少し坂を登らないといけないけどR176沿いに走っていけば着きます。しかし、この「武田尾」駅だけがその路線から完全に断絶しているのです。三田もしくは宝塚から自転車(もしくは車で)で武田尾駅に行くとすれば、それは峠越えや幾多のアップダウンの山道を経て辿り着くツーリング的な走りを必要とします。とても通勤のような楽ちんな気分で行ける場所にはありません。
JR武田尾駅は、武庫川渓谷が織り成す「武田尾温泉郷」の唯一の玄関口となっており、武田尾温泉郷は人里離れた阪神間の深山幽谷といった雰囲気の場所です。なんで今までここで下車してポタリングしなかったんだろう、と思いましたが、すぐに理由が分かりました。電車を降りて、この場所を走ってもまた電車に乗って宝塚に向かわないといけないからです。一度下車したら、そのまま自転車で職場まで行く方が楽なので、何度も乗り降りしないといけない武田尾を知らず知らずのうちにポタリングの候補から外していたのだと思います。
でも今日はここで下車してみました。出勤前の早朝ですよ。わざわざこんなところに。ブログのネタのために、というのもありますが、本心はまた別のところにあります。秋ということもあって、こういう人気のない寂しい場所を何となくぶらぶらと自転車で走りたいというのが今の心境なんです。長い人生の中でそういうこともありますよね。うん、あるある。ということで、冷え込み厳しい武庫川渓谷下、武田尾温泉の輪行ポタリングです。
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駅を出るとすぐに武庫川が流れています。武田尾温泉郷は山と山に挟まれた谷の縁に作られた温泉郷ですね。僅かばかりの平らな土地に道が走り、温泉旅館が数件あるという風情です。
平らな土地は僅かですぐに山肌が迫り出してきているので、道路もトンネルとなります。対岸に渡る赤い橋が武田温泉のトレードマーク的な存在ですね。よく写真に使われています。
武田尾橋です。遠くから見ると小さい感じでしたが、傍まで来ると結構立派な橋でびっくり。
その先の道を進んでいけそうなんですけど、すぐに行き止りなんです。この道がJR道場駅方面に繋がっていると、ツーリングコースとして走り易い良いコースになるんですけどね。渓谷の険しさでそれは難しいようです。
武田尾橋からの武庫川の風景。左岸に数件の温泉宿が見えますね。空気が冷たくてピリピリとします。
マルキ旅館という温泉宿の看板です。
武庫川沿いに見事なモミジ。谷間にはまだ日が下りてきません。
古びた温泉宿の雰囲気です。誰も居ません。良い感じです。
岩窟温泉、マルキ旅館とありますが、この渡り廊下が面白い。実は以前にこの建物の中に入ったことがあります。建物全体に古く、赤い絨毯敷で建物の中全体がどこかかび臭い感じです。まさに昭和ノスタルジー的雰囲気です。
奥へ進むとさらに古そうな温泉宿があります。
この適度なボロさ加減よ。
モミジの木が茂る谷間の中に古くてボロい温泉旅館が溶け込んでいるようですね。
日が当たらないようでまだ紅葉しないのかな。
対岸に見えるのは「あざれ」という温泉宿ですが、小洒落たペンション風の宿ですね。仕事仲間たちと遊びで泊まったことがありますけどなかなか風流なお宿でした。
温泉旅館がある地区を出て武庫川沿いをのんびりと走ります。
こんなところに「名塩」の道標がありました。登山コースのようです。
自転車に乗り初めてから登山も遠ざかっていますね。ぼちぼち登山に復帰してみたい気も少しあります。
朝の太陽が渓谷にも少し下りてきたようです。景色が明るくなってきました。
ということはそろそろ仕事に向かわなければいけません。JR武田尾駅に戻ります。
トンネルの中に駅があるという効率設計。いや、単に駅舎を作るだけの広い場所が無かったのでしょう。
銀河鉄道999にこんな暗い駅があったような。寂しさの中に仄かな温かさがあるような。今の心境にぴったりです。