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Channel: ケルビム&KHSでゆくフォトマップブログ/自転車で巡る阪神間の道と街
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MTBからの登山企画(2) 高平の里から大船山に登る。

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今回は三田市、高平の平野部に聳え立つ大船山に登ってみようと思います。自転車乗りにとって高平は三田の中でも一等のサイクリングコース。三田ループのトレーニングコースとしても、羽束川渓谷沿いに後川や母子、篠山方面へとも繋がっているためにルートの要となる場所でもあります。要は自転車乗りにとって高平は走る機会の多い場所なのです。そんな高平を走る時に必ず視界に入ってくる存在感のある山がこの大船山です。

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実は数年前、自転車趣味を始める前に大船山にも登ったことがありますが、当時は高平地区そのものに対しての感慨もなく、ただ山に登った、というだけの印象しか残っていませんが、今は違います。ふらっと訪れるだけなので、高平地区にそんな深い繋がりが持てている訳ではありませんが、ここ数年の間、自転車で幾度この場所にやって来たことか。春夏秋冬、早朝も夕暮れも真っ暗な夜も高平を走ってきました。また木器のポタポタさんという知己も得て、この土地のことを色々と教えてもらったりして、自分なりにこの高平という土地柄に馴染みを感じてきました。そうした思いを持って大船山と面してみると、以前に登った時とはまた違った印象を受ける筈です。


それにしても見事な山容です。「大船」というのは、この山を遠望した時にまるで海原を行く船のような姿に見えることに由来していることは間違いありません。古代より、高平に暮らす人たちはこの山を神格化し、敬意と誇りを抱いてきたのでしょう。


寒いです。冷気が頬にピシピシと突き刺さります。大船山の登山口を目指してMTBでのんびりと農道を走ります。


太陽が大船山から登って来るので、山の写真を撮ると逆光になって仕方がありません。


以前から高平を走っている時に気になっていた小さな個人商店「薮田商店」。只物ではなさそうなお店の外観からなかなか中に入れずにいましたが、今回は頂上で食べるおやつを購入すべくお店に入ってみました。「鮮魚と青果とお菓子」という謎の品揃えの看板からさぞ不思議なお店と思っていましたが、中は案外と普通な感じで外観ほどのインパクトは無かったです。お店のおばちゃんに丁寧に大船山の登山口までの行き方を教えてもらいました。「大船山に登る」と話すと親しみを持って接せられた感じが伝わりました。


神姫バスの「十倉」バス停の近くにある大船山登山口の看板です。味のあるボロさ加減ですね。


看板の場所から坂道を数百メートルほど登っていくと登山口に辿り着きます。獣除けの電柵があり、中に入るにはこれを取り外して行かなくてはならないようです。MTBはここでお役御免ということで登山装備に切り替えます。靴はツーリング用のビンディングシューズのまま山を登りますがまぁ何とかなるでしょう。


登山口からしばらくは車両も走れる林道の穏やかな道で幾つかの農業用のため池を脇に眺めながら登り進んで行きます。


ため池の水面に綺麗に周囲の木々が映し出されていました。歩いて身体を動かしているとちょうどいい感じに身体が温まってきたようで寒さはそれほど感じられなくなりました。


ため池を過ぎるといよいよ登山道っぽい感じになってきました。先回の羽束山は登山道そのものが参道ということもあって粗い石の階段で整備されずいぶん登り易くなっていたことが分かります。


どこがルートなのか分からないような場所には、目印のこのようなテープが貼ってあることが多いので目を凝らして目印を探しながら登って行きます。大事なことです。


適度なガレ具合の急坂を登って行くと上の方にずいぶんと明るい場所が見えてきました。斜面から尾根筋に登ってきたことに間違いありますせん。


案の定です。登り詰めた場所は広場になっていて大船山西の麓の集落、波豆からの登山道との分岐点になっていました。ご丁寧にも大船山まで870mと記してありますね。登りの870mはそう近い訳ではありません。


しばらく登ると再び分岐点。山頂まで350m。あと一息というところまでやって来ました。


ここから山頂まで胸突き八丁と言わんばかりの急坂となります。落ち葉が積もった道が滑るのでグリップの甘いビンディングシューズは辛くなってきました。


横手を見ると木々の向こう側に母子や永沢寺の集落のある山並みが見えます。


急坂にもストックは強い味方になってくれます。脚の補助というよりも4本の脚というぐらいに大活躍です。こういう登坂でもリズム感が大事です。急がなくていいので自分の心地よいテンポで歩を進めるのが楽しい。


もうすぐ山頂のようです。なかなか険しい最後の急坂でした。


着きました。大船山の山頂です。僅かばかりの山頂の広場に祠と遠望できる山を示す標識と山の由来の記したプレートがあります。


遠く西国から明石沖までやってきた舟がこの山を見て大和(畿内のことかな?)に帰ってきたと安堵するという。本当かな。六甲山系が見えたらそれで良いような気がするんだけど。


山頂のおやつ時間です。先回はコーヒーを淹れてブラックで飲みましたが、疲労した体には甘いものが嬉しいです。ブラックではなく牛乳を入れてカフェオレを作りましょうということで牛乳を瓶に入れてもってきました。早瀬野菜研究所のジャムの小瓶が丁度良い牛乳入れになってくれました。薮田商店で買った薄皮あんぱんもあるし、用意万端!と思いきや・・・まさかのまさか、ドリップ式の珈琲豆を持ってくるのを忘れてしまいました。なんてことだ!と落胆ひとしおでしたが、気を取り直して、牛乳をお湯で割って温め直し、砂糖を入れてホットミルクを作りました。うん、美味しい!あんぱんにはやっぱり牛乳だね。


山頂からの眺望です。南の方角にはまず羽束山の優美な山容が目に入ります。その奥に六甲山系と中山連山。その手前に色々な山の連なりです。


光学ズームを使って三田市街地を撮っています。武庫川の流れが薄っすらと見えますね。


六甲山系東端と中山連山の西端が切れ込んで行く向こう側に宝塚市街をはじめとする都市部がほんのりと見えますね。大船山の山頂からは南方や東南の方向の眺望は得やすいのですが、肝心の高平の集落は深い木々に遮られてほとんど見えません。そんな事はない筈です。羽束川沿いの細長い高平の集落を眼下に一望できるポイントがかならず大船山にあるはずです。登山のガイドブックには記されていないような、地元の人しかしらないようなルートがあるに違いない。そんな気がします。

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